96/07/18遭難でしょ?

赤石~大高山間の縦走路確認で遭難しちゃった!? その考察。


 「やってしまった!!、一生の不覚、やっぱり!なんとかなるよ。」そんな気持ちが交錯した。 赤石~大高山間の縦走路確認のため赤石山からオッタテ峠を目指して入山したが、山をなめきっていた。15年前に何度かガラン沢の支流を詰め、縦走路の存在は知っていたのでさほど気にもとめずにいたのが原因であるが、反省材料と原因は多くあった。それらをまとめてみた。


予定コース 前山→四十八池→赤石山→湯ノ沢ノ頭→ダン沢ノ頭→オッタテ峠→一ツ石→馬止メ
予定コース:緑色
最初の「錯覚と思いこみ」コース:青色①
「さらなる間違い」コース:青色②
実際に歩いたコース:赤色

概略図

1.遅い出立

1-1、赤石山頂から藪に突入したのが11時30分頃。

2.荒廃度の読み誤り

2-1.昭和54年8月以来18年間、赤石~オッタテ峠間は、整備されていないことは知っていた。
2-2.稜線は、なだらかで、樹林帯を歩けば藪は濃くないだろう。
2-3.未整備地帯は約4Km、4時間も歩けば大丈夫。
2-4.実際は、極太の根曲がり密叢地帯で、ほぼ全行程にわたっていた。
2-5.稜線では約8時間をさまよう。なんと時速500m。

3.コンパス軽視

3-1.コンパスを忘れていたのに強行した事。これは基本的な事で釈明できないミスである。
3-2.日中は好天で、17時半頃までは木に登りさえすれば、稜線と山座確認できたが、その後急にガスがかかり展望が利かなくなった。しかし、これも言い訳である。

4.尾根の読み間違い

4-1.ダン沢の頭は三方からなる尾根で、本来なら南東の尾根を下るはずだが北東の尾根を下った。コンパスがあれば問題なかったのだが、ピークから下る際、複数からなる尾根では迷いやすいと云われることが本当によく理解できた。

5.錯覚と思いこみ

5-1,笑い話のようだが、南北を取り違えていた。考えてみて下さい、私は南東の尾根を下りているつもりになっている。つまり右に下りるとガラン沢なので、左の尾根沿いになだらかに下りていけば必ず登山道に出ると確信し下降していたのです。(青色コース①)

6,さらなる間違い

6-1.19時頃には日も暮れた。そこで、登山道は諦め、まっすぐ峠の沢を下り、ガラン沢本流に出、葱吉地蔵から馬止めに出ようと右下から聞こえる沢音を頼りに下った。(青色コース②)

(※山で夜歩く事に慣れ、こんな無謀と思われる行動をしました。)


 さらなる勘違いから目が覚めたのはそろそろ本流か?と思う頃ガスが消え下り正面上空に北極星を見たときだ、「やってしまった!!、一生の不覚、やっぱり!なんとかなるよ。」そんな気持ちが交錯した。なんと下っていたのは魚野川の支流小平沢だったのである。本当の自分の居場所を確認したのは23時。非常食は明日の朝にとっておき雨合羽を着て寝ることにした。


 翌朝も好天、志賀高原に出るため庄九朗沢を詰めノッキリに出る。やっと登山道!!遭難者が遭難する気持ちと、その仕組みがよく理解できたことが最大の収穫であった。(精神と肉体的な悲惨さとは無縁であったが)


やっぱり山をなめてはいけない!!


Date: Tue, 21 Oct 1997 From: Hayasi 予定していたコ-ス、辿ったコ-スとも良く理解できました。途中何を考えていたのかも含めて興味深く読ませていただきました。ノッキリに出ようと考えたのは、つまり庄九朗沢を詰めようと考えたのは沢を知っていたからだろうと思いますが、私は「初物」が好きで、知っているところには、まず入らないと思いますので、引き返さざるを得なかったと思います。進退窮まった怖い思い出があります。7月とは言え、素晴らしい体力の持ち主と感じ入っています。

↑Top