00/02/01横手山~大平湿原ルート

 知人から譲り受けたジルブレッタやシールも随分とくたびれてきて、信頼性 が劣り、山スキーを一新しようとして調べたところ、あまりにも高価であることを知り唖然としておりました。(その割にはお粗末)


 手放したスノーモービルと等価とは、トホホ。 おかげで新素材ウェアーの購入はまた先送りとなりました。 20年も前の継ぎ接ぎだらけのボロを着ている貧乏な山遊び人のぼやきであります。


 28日からスキー初乗りを兼ねて六合村は元山地区の鋼管休暇村から大平湿原、芳ケ平 、渋峠経由で横手山(標高差1130m)に行って来ました。 今年は雪が少なく、ラッセルがなかったので約7時間半で横手山頂に到着。横手山頂ヒュッテで4泊し、帰りはスキーツアーコース沿いに降り、約4時間半で 草津町の草津高原ゴルフ場に出ました。


 大きなトラブルもなく満足のいく山行でありました。それでは詳細な報告を致します。


1月28日(行き)


9:30 自宅(小倉)を出る。好天ではあるが、白根山にはガスがかかり、強風であることが見て取れる。田代原を過ぎ元山の鋼管休暇村へ向かう途中、大平湿原に向かう登山道入り口に車を止める。


9:40 三角点1177.1m地点から西に400mの地点に営林署のゲートがあり、ここからシールを付け歩き出す。平坦なカラマツ林の尾根筋にはほぼ直線に西に延びた車道があり、その上を歩く。車道の両サイドには牧場の柵があり数年前までは羊を放牧していた


10:40 穴地獄からの車道合流点を過ぎ、200mも歩くと、平兵衛池に向かう登山道(1280m)に出会い、これを登る。積雪量は約40cm。熊笹が雪から出、登山道を忠実に歩かないと笹に足が取られる。


11:20 春にワラビやゼンマイを採る平らに(1400m)出る。日差しが厳しく暑い。グローブの中が湿気っぽい。気温が低下して凍るとやっかいなので早めに軍手に履き替える。


12:05 平兵衛池分岐(1550m)の大ナラ(水ナラ)に着く。途中1500m地点の涸れ沢付近から登山道が解り難くなってくる。2.5万図を読図出来るか、夏場に歩いて地形を熟知していないと不安になるところだ。


12:30 大平湿原(1608m)到着。風が強くなってきた。昼飯を早々に切り上げる。時折ガスがかかり始めたので、目の前の三ノ鞍(地名呼称)にコンパスをセットする。平原地帯でガスった時、確実に目標地点にたどり着ける措置だ。


12:45 大平湿原出発。平原から長笹沢川の支流南ゼン沢と谷沢川の間にある尾根が通称三ノ鞍だ。2.5万図には境界線沿いに登山道が表記されているが、現在は消滅している。1810m付近から尾根のピークを避け南側に回り込んだが強風のため再び北側の森林帯に入る。


14:15 芳ケ平ヒュッテ着(1832m)。2匹の大型犬に手荒い歓迎の出迎えを受ける。ヒュッテの中は暖かく、管理人の新堀夫妻からドリップコーヒーを頂く。通年営業であるがこの時期の訪問者は皆無であること、2日前にスノーシューのパーティー3人が渋峠から降りてきたことなど情報交換をする。


15:00 芳ケ平ヒュッテ出発。ヒュッテから南ゼン沢迄の400mが強風帯であるが避けるわけには行かない。沢に掛かっている木橋の一部が見えるが沢はほぼ雪に埋まり渡渉には問題ない。去年の11月にはこの付近の木道整備を手伝ったが現在は雪の下となりその存在を知ることは出来ない。ここからはスキーツアーコースで頻繁にプレートや道標があり余程のことがない限り迷うことはない。


16:40 渋峠到着(2152m)。リフトの営業時間内に到着を目指していたが、残念、運転終了でした。仕方がない、ゲレンデの中を後30分歩くとしよう。


17:15 横手山頂ヒュッテ到着(2305m)。100%登り。7時間30分。行動時間は6時間30分。強風であったがラッセルがなかったので快適に登ることが出来た。大雪の年だと芳ケ平で一泊しないと無理かも知れない。横手山頂ヒュッテの高相さんに挨拶も早々でビールを流し込んだのは云うまでもない。


1月31日 横手山頂ヒュッテのご厚意で、山と渓谷社の山BBSに以下の投稿をしました。あまりにも暇だったので(^^)v。

■停滞中

投稿日 1月31日(月)10時20分 投稿者 じねん


現在、横手山頂気象ロボットによると、

北西の風、風力15m(瞬間最大22m) 外気温-15度、湿度67%、気圧780ヘクトパスカル。視界20m。

いわゆる吹雪である。 強風のためリフトも営業停止。本日下山予定であったが、停滞を決め込む。


(土日の天気は最高でした) 横手山頂ヒュッテのパソコンを借りて書き込みました。

 


2月1日(帰り)


10:50 横手山頂ヒュッテ発(2305m)。天候は前日の強風は止み、ガスっている。出発前に自宅に電話し、自宅から白根山が見えるかどうかを確認する。妻によると下は晴れており、横手山は見えないが白根山はかろうじて見えるとのこと。状況は出発前と同じ様だ。


10:55 渋峠着(2152m)。昨日降った雪は圧雪車で整備されており、ゲレンデは目をつむっても滑れるくらい快適である。ツアーの報告のため渋峠ロッジに入りお茶をごちそうになる。日曜日に1パーティ10人が草津に降りたとのこと。


11:10 渋峠発。昨日降った雪は重く初っぱなからラッセルだ。日曜日に降りた人達は快適に滑って降りられであろう。(ちょっと嫉妬する。)


12:10 芳ケ平ヒュッテ着(1832m)。途中ラッセルとシールを付けたり外したりで、1時間もかかってしまった。雪質が良ければ通常20分で降りられるのだが・・・。ツアーコースの状況を見てきて欲しいとの依頼があったので登りのルートへは降りず、ツアーコースを降りることにする。


 芳ケ平ヒュッテで衛星電話を借り、妻に草津高原ゴルフ場に車を回すように連絡する。初めて衛星電話を使ったが、音声の質が悪い点とタイムラグがあり、少々違和感があった。それにしても電話が通じることの有り難さには代え難い。


 降ることをヒュッテの管理人に告げると、もうパスタを茹でたとのこと。ありがたくご相伴に預かる。ニンニクたっぷりの明太スパゲッティはご馳走されたから言うわけでないが非常に美味しかった。


13:40 芳ケ平ヒュッテ発。ヒュッテのすぐ前の橋を渡ると100m程で涸れ沢と出会う。沢への落ち込みにセッピが張り出し沢床まで落差が4m程あり、一旦降りると対岸に登り上がるのに苦労しそうである。積雪が少ないと沢が雪で埋まらず例年通りのルートを選択できない。


 上流に沢をせき止めるように雪のナイフリッジが出来ている。今回はその上を渡る。シールを外しクラストした斜面を滑り降りるが、ここで降りすぎると後で苦労する。1770m付近から、南西面の斜面をトラバース気味に行かないと深い沢に行く手を阻まれる。


 1730m付近のカラ松森林帯にはいるまで、特にガスった時には注意しないとルートから外れてしまう。カラ松森林帯に入ってからまたラッセル。シールを付けるか悩んだがこのまま進む。


14:40 一本松通過(1570m)。一本松手前の毒水沢に架かった丸太橋はちょっとしたスリルが味わえる。沢への雪の積もり方が中途半端で、ツボ足で渡れば雪を踏み抜き沢床へ着水しそうである。誰の手も借りられない単独行動ではこの様なときが一番慎重になる。


 「生と死の分岐点」(山と渓谷社)で紹介されていた事例を思い出す。


 残雪期に窪地を歩いていた登山者が雪の下にある沢に落ち、仲間の見ている前で溺死したのだ。落ちた当初は生命の危機を感じさせない状況であったが、落ちた際に一緒に落ちた雪が沢の流れを塞ぎ、ダム化し、水位が上昇し溺死したというのだ。


 考えてみただけでもゾッとする光景だが実際に身近で起こりうる現象である。


 この付近から大曲まで春のスキーツアーシーズンになると、ルートはまるでボブスレーのコースとなる。狭い林間コースを大勢がボーゲンで滑ると中央ばかりが削られテカテカのアイスバーンとなり、容易にエッジの効かない恐怖のボブスレーコースの完成だ。


14:50 大曲通過(1460m)。昨日降った雪も少なくなりスキーが滑り出す。大曲では真新しい道標がたち、青葉山へと書かれている。最近出来た登山道であろうか。雪が解けたら確認してみよう。


 香草を過ぎ、谷沢川へ降りるルートが道路工事のため閉鎖されている。天狗山スキー場に出るルートだ。最近出来た谷沢第三ダム付近の車道が昨年土砂崩れのため閉鎖されていたので、その工事を現在行っているのだろう。


15:00 蟻のと渡り通過(1370m)。かろうじて雪が着いている状態ではあるがスキーを履いたままでも通過できる。このままルートを降っても良いが、今回は左にリフト終点駅が見えたところからルートを外れ、灌木の中に入り、リフト終点駅を目指す。


15:05 草津高原ゴルフ場リフト終点駅通過(1345m)。去年から音楽の森スキー場は営業していない。超初級ゲレンデには人影もなくスケーティングで降りて行く。


 もう着いたとの気の緩みから北側の尾根に入ってしまった。今回の山行で唯一の判断ミスである。しかし15分のロスは可愛いものだ。


15:25 草津高原ゴルフ場管理事務所到着(1250m)。妻が車で待っていた。軽トラックの荷台に積もった雪の中からビールを手渡してくれる。感謝感謝、ありがたい。良くできた妻です。


 


警告。


 今年は積雪量が少いうえ、サンクラストやウインドクラスト状態が長く続いたためか、弱層の出来方が早く、形もクッキリとしており雪崩に対する警戒を例年以上に行った方が良い。バシッ!ズン!と不気味な音が「え!こんな緩斜面で」と思うようなところで聞かれた。


 


装備一覧。


スキー(ハーガン、ツアーキャップアルペン150)、シール(ポモカTFモヘア)、ストック(シュワルツマウンテニア)、兼用靴(ダイナフィットMLT4)、金具(ダイナフィットTLT)、ザック(40L)、ツェルト、バーナー、ボンベ(小)、ポリタン(1L)、コッヘル(中1,小1)、食料(2食分、非常食、行動食)、予備グローブ1、ゴム引き軍手1、フリース(上下)、靴下4、下着(上下1)、タオル(1)、レスキューセット、6mmロープ5m、ヘッドランプ、ナイフ、カメラ(使い切り)、マイクロカセットテープ(記録用)、2.5万図(上野草津)、筆記用具、コンパス、時計(カシオプロトレック)、予備の眼鏡、ボロボロの耐寒服、耐寒帽、グローブ、・・・・・・・・・そして何と云ってもアルコール(スピリタス350mlスキットル入り)と煙草(ゴールデンバット1カートン)、ライター(3)。

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